2008年04月20日

演歌トニック

黒人初の演歌歌手JERO君の登場で演歌界にもちょっとした
ブームが来そうな感もありますね。
氷川きよし君が登場した時も多少の動きはあったものの、
若者に演歌が浸透するには至らなかったと感じているんですが
JERO君だとひょっとしたら・・・?と何か予感させてくれるものがあります。

ま、演歌も決してなくなりはしないものの、少しずつ廃れてゆく文化のひとつかな
と思わざるを得ないんですね。
何しろ、それを支える層が高齢化してゆくにつれて人口が減少し、このまま
新規参入が無ければ衰退してゆくのは否めない状況ですから。

僕はネタで演歌も多少研究はしてますが、決して演歌が好きと言うわけでは
ありません。どっちかというと、若い頃にはむしろ苦手な分野でした。
で、何でいきなりこういう食いつきの悪いネタ振り

やってるかというと、ちょっとした理由があります。時は遡って2月の後半、都内某所で行われた「全国支店長会議」でのこと。
三次会での席上で、塗料屋さんとお話していて
「演歌の『○○ブルース』というのはBluesと何か関係があるんですか?」という
話になったんですが、僕は「全く別物です」と申し上げました。
「確かにBluesに似た曲調のものもあるけど、それはたまたまで
本来は違うものですよ」という話でその場は終わったんですが
この話題はずっと若い頃にも何度かやった経験があります。
僕の認識もその当時のままですので、実ははっきりとどこが違うという
確証があるわけではありません(滝汗)。

その辺の話も含めて検証してみようというのが今回の本題です。


ぶっちゃけ、結論から先に言うと

演歌のブルースとBluesは別なものです


ということで、この話は終わり・・・んな訳ないわ〜(ぉぃ)!

ちょっとややこしくなりそうなんですが、

まず演歌というものに実は定義はありません

演歌を構成する要素はいくつかあって、例えば

■リズムが4拍子あるいは2拍子である
■「ヨナ抜き音階」(「ニロ抜き音階」も同意)で曲を構成する
■「こぶし」が回っている
■歌詞の内容は“海・酒・涙・女・雨・北国・雪・別れ”がよく取り上げられ、
 これらのフレーズを中心に男女間の切ない愛や悲恋などを歌ったものが多い
 (出展:Wikipedia)

・・・などなどで、これらのうち3つ以上の要素を備えていれば「演歌」に
分類されてもおかしくないと言われております。

が、しかし、これがあれば演歌であるという確実な条件(法則)がありません。
もっと端的に言えば、当事者が「これは演歌だよ」と言えばそれは
演歌になっちゃうてぇことなんです。


ぇ?「ヨナ抜き音階」「ニロ抜き音階」ですか?
「ヨナ」とは長音階の4番目と7番目つまり「ファ」と「シ」を指します。
音を二つ抜いてますのでペンタトニック・スケールですね。
同じように「ニロ」とは「ラ」から始まる短音階の2番目である「シ」と
6番目の「ファ」を抜きますので、ま、音階の構成音は同じですね。
理論に詳しくないので、あまり突っ込まれると困るんですが・・・(汗)

日本人あるいは日本の音楽に詳しい人であれば、演歌は聞けばそれと
分かるわけですが、これを言葉で説明すると難しいものになってしまいます。
そういう細かい区分けをせずとも一律に歌謡曲と言ってしまえばそれで
済むような気もしますが、J−popと言ったり、ニューミュージックだフォークだと
何かとジャンル分けがなされてますし、CDやら何やらを探す手がかりにしてますから
やっぱりある程度の区分けは必要なのかな?

それと同じように、Bluesというものも説明が難しいものです。
聞けばすぐにBluesと分かるにもかかわらず・・・。
ちなみに英語での発音は「ブルーズ」という風に「ス」ではなく「ズ」と濁ります。
「ティム・ボガート」と、ちゃんと言っておきながら「ハンフリー・ボガード」と
言っちゃうみたいなもんかな?何気ない習慣って恐ろしいすね(汗)。

歴史的に見れば日本で「ブルース」という名の曲が紹介されたのは
たぶんですが、「セントルイス・ブルース」あたりが最初ではないかと思います。
その「セントルイス・ブルース」を下敷きに、服部良一先生が「別れのブルース」を
書き、淡谷のり子先生が歌ったのが1937年。
これが「演歌ブルース」の始まりにあたるのかな?と思います。
もちろんそれ以前にも「○○ブルース」という名の楽曲は存在しますが、
「別れのブルース」のヒットで一気に火がついたのではないかという推論です。
その後も服部・淡谷コンビで「○○ブルース」の題名がついた曲はことごとく
ヒットを飛ばし、淡谷先生は「ブルースの女王」として名をはせる事になりました。

服部先生はご存知の通り、ありとあらゆるジャンルの音楽を手がける天才でしたし
ご自身の楽曲が本来のBluesと意味合いが違っているのも先刻ご承知で
おられたようですが、日本での「ブルースとは陰鬱なメロデイの4拍子の楽曲」
という、誤った認識が広まってしまったために、それ以降かなりの期間
ブルースといえばそういう楽曲を指すようになってしまったんでしょう。

実際に演歌で「○○ブルース」という名のついた楽曲はことごとくヒットしています。
また、製作側も曲のタイトルに悩むとブルースを使いたがるというのが流行って
いたフシもあります。地名や何かキーワードの後にブルースと付ければこれで
タイトル一丁あがり、しかもそれでヒットしちゃうからこんな楽な話は無いわけで
やたら「○○ブルース」という楽曲が多いわけです。

そんな風に、僕らが若い頃「ブルースが好き」というと「淡谷のり子みたいなの?」と
割りとよく誤解を受けていたものです。

ここで余談ですが、淡谷先生は音楽学校の出身で、元々はピアノ科におられました。
声楽の才能を見出されてその後声楽科に移ってますが、当時は淡谷先生や
オペラから歌謡曲まで歌いこなし、オーケストラの指揮もこなせた天才・藤山一郎先生など
音楽学校の出身者が歌謡曲を歌う例が少なからずありました。
昔の歌手はちゃんと譜面も読めた人が多かったようです。


日本で黒人Bluesをもとにした音楽の出始めはウエストロード・ブルース・バンド
あたりが最初で1960年代のことです。
関西ではライブハウスが続々と出現し、Bluesを支える基盤が出来てきましたし
外道や村八分なんかのLiveもよく行われていました。
日本のRockの創世期にあたるこの時期は面白いバンドも実に多かったです。
しかし、当時あちこちで盛んだった学生運動やヒッピー、ホーボーという人種の出現、
フラワー・ムーブメントやその他の社会現象と色んなものが混在し、
「Rockは不良の音楽」という、誤った認識からその後長きに渡って抜け出せない
悲しい日本のRock事情がスタートした時期でもあったわけです。

ぉっと、話が飛躍し過ぎましたね。
いずれは歌における「こぶし」というものについても書いてみたいところですが
今回はこの辺で・・・


posted by 地味・・・偏 at 23:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
セントルイス・ブルースといえば「いやんバカン」ですね(笑)
Posted by MORIO at 2008年04月21日 22:27
★MORIOさん

そこはダメなの〜♪(笑)
Posted by 地味・・・偏 at 2008年04月22日 00:04
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。